第2章 出会い
―変な女を拾ってしまった
リヴァイは自室で掃除用具を揃えながら、これまでの出来事を思い返していた。
ここは騙し合いの世界。最初女を見た時は、誰かが仕掛けた偽計だと思い警戒した。しかし、おそらくそれに掛かったのはあの女なのだろう。
「アニキー!部屋入るよ」
ガチャリと音がして、イザベルが部屋に入ってきた。どうしたのかと聞けば、女に着せる服を貸して欲しいとのことだった。確かにあの女は自分と大体同じ身長だった。イザベルの服では少々小さいかもしれない。
適当にシャツとズボンを手渡すと、そそくさと部屋を出て行こうとするイザベルを慌てて呼び止めた。
「おい、下着は多少小さくてもお前の貸してやれ。あいつが今つけてるのは風呂に持ち込んで自分で洗わせろ」
「変態!それくらい分かってるし!」
ゴンッとイザベルの頭を殴ってやった。
任せっきりに出来ない性格なだけで、決して変態ではない。リヴァイは棚の奥から薬箱を取り出し、頭をさするイザベルに持たせた。