第9章 帰還
「リヴァイ。この2人は優しくて頼りになるけど、すっっごい鬼畜だから」
エマが小突きながら説明してくる。言いたい事は既に分かるような気もするが……
「そんな事はない。鬼畜なのはエルヴィンだけだ」
「誉め言葉として受け取っておくよ」
気にも止めない。といった様子で食事を取る2人に、ハンジが口を開く。
「そういえば、リヴァイと飲みに行く約束をしてるんだ!2人も行くでしょ!?」
「あ?俺はそんな約束した覚えねぇぞ」
「それは楽しそうだ。是非ご一緒させてもらおう」
「おい待て、話を進めるな」
ハンジに賛同したエルヴィンを、慌てて制する。
飲みに行く話なんて一度もしていない。確かに壁外で「食事を奢る」とは言われたが、承諾もしていない。
「モブリット、今回はハンジが居るからあまり飲めないね」
「え!?参加決定済みですか?」
「当たり前だろう。お前以外、誰がハンジを連れ帰るんだ」
エマ、モブリット、ミケが次々に話を進めていく。
いつ行くだとか、どこの店にするだとか。そんな平穏な会話が続いてゆく。