第56章 作戦会議
「好きなのを選べ。」
二人は車を降りて車のトランクの前に立った。
トランクを開けると、中には沢山の刃物や拳銃が入っている。
「じゃあ、ワシはこれとこれにするわ。」
手頃な拳銃一丁と弾を選び、そして少し長めのドスを手に取った。
背中のズボンの間に拳銃を挟む。
「足手まといになるなよ。」
何丁か拳銃を持つと、畠中はズボンの間に挟んだ。
「どっちがジャ。」
善司が事務所に向かって歩き出した。
「…………。」
畠中も黙って後ろを歩いた。
「若、俺等も手伝います。」
「おどれ等、何でこんなところにおるんジャ。」
事務所の前に着くと、山代組の若衆がいた。
皆、武器を持っている。
「俺が呼んだ。」
後から歩いてきた畠中が口を開く。
「…たく、余計なことしよってからに。」
と言いつつも彼は悪い気はしていなかった。
むしろ、仲間がいて気合いが入っている。
「…俺の組の者とお前の組の者で足りるかどうか……ま、勝てりゃあいい。」
ゴキゴキと畠中が首を鳴らした。
「わかがし、来ました!!」
畠中の部下が遠くを指差す。
確かに人の群れが左右の道からやって来る。
「そうか。お前等、親父の命令だ。ここは絶対死守しろ。」
「はいッ!!」
畠中の言葉に白川組の若衆が頷く。
「白川組に遅れをとるなよ!!ワシ等、武闘派"山代組"の力見せつけたるんジャッ!!」
タンクトップを脱ぎ捨てた善司が叫んだ。
「うっス!!」
山代組の若衆が力強く返事をする。
「俺は左を殺る。」
「じゃあワシは右や!!」
それぞれ道に立つ。
「余所者にこの地は汚させんわ!!」
「同意見。」
力強く、アスファルトを踏み込んだ。