第56章 作戦会議
「ま、それが真の男ジャな。けど、それをおどれが言うのが癪(しゃく)に触るわ。」
黙って聞いていた善司が口を開いた。
「…普通に考えれば不可能だ。守るだのなんだの、所詮綺麗事だ。しかし、その心意気は悪くない。」
フッと白川は笑みを浮かべた。
「ねぇ、そろそろ敵さん来るんやないん?」
時計を見ながら藤堂が言った。
「そうだな。善司、早く行ってこい。」
白川も腕時計で時間を確認した。
「行けって、どうやって行くんジャ?ワシ足がないわ。」
「大丈夫だ。俺の組の若頭が下で待ってる。」
「なーんか、嫌やなソレ。まぁ、行ってくるわ。」
不満を言いつつも、善司は部屋を出ていった。
「俺は?」
それを見ながら、誠也が尋ねる。
「お前はここにいろ。」
宗次郎が答えた。