第56章 作戦会議
「加藤の兄貴!!」
突然奥から聞こえてくる声。
これまた上半身裸の男が走ってくる。
――またか。
見張りはため息を吐いた。
「大変です!!」
門に来て男が叫ぶ。
「なにがや?」
「花村のおじきが爆発しました!!」
更に男が叫ぶ。
「さよか、………てドアホッ!!こないな時にウケねろうてどないすんねん!!真面目にやらんかいッ!!」
加藤が男の頭を叩いた。
「なら、やり直してきます!!」
「よっしゃ、なんとかツーやッ!!」
そう言って男が奥へ戻っていく。
――そういう問題なのか?違うだろ。
細い目で見張りが彼等を見ている。
「加藤の兄貴!!」
また、男が走ってきた。
「大変です!!」
また、門に来て叫ぶ。
「なにがや?」
「花村の親父の車が爆発しました!!」
「なんやて?」
加藤の目が見開いた。
――さっきので雰囲気が台無しだ。
見張りは心の中でぼやく。
「おじきも乗ってたみたいで……もう――。」
男が俯いて悔しそうに下唇を噛んだ。
「…クソが!!ワシャ…豪龍会の奴等絶対に許さんで。江田の首かっ切ったるわッ!!」
加藤はギシギシと奥歯を噛みしめた。