第56章 作戦会議
「俺の仲間といるみてぇだ。」
通話を切った誠也が、ポケットに携帯をしまいながら言った。
「まぁ、今の所は大丈夫だろう。」
白川はそう言うとテーブルに置いてあったコーヒーカップを手に取りコーヒーを口に含んだ。
「ところで、豪龍会をどう迎えうつかについてだが、この地図を見てくれ。」
コーヒーを置くと、テーブルにあった大きめのサイズのタッチパネルのパソコンに触れた。
皆がそれを覗き込む。
「ここが今いるところだ。」
白川がタッチペンで画面に丸を書き込んだ。
「この町は三つに分けられる。」
次に町を三つの丸で分けた。
そしてA、B、Cと区切る。
「一番最初に狙われやすいのはAだ。岩中の事務所があるからな。それに高速から一番行きやすい。次にBだな。ここは岩中の家があるだろ?そしてCだ。このタワービルがある場所だ。ここが要になる。」
「何でジャ?」
善司が首を傾げた。
「考えてみろ。隆盛(ヤツ)にとって、町が一望できてなおかつ見物しやすい所と言ったらここしかないだろ。」
「確かに。」
皆が頷いた。
「だから、要だ。とにかくここは俺と宗次郎が守る。善司、お前はAだ。うちの若頭と手を組んで守ってくれ。」
「なんや、ワシBやないんかい。」
善司が不満そうに言った。
「いや、Bは宗次郎が決めた。」
「誰や?」
「加藤だ。」
宗次郎が善司を見ずに言った。