第56章 作戦会議
が、ゲームセンターのトイレは女の人で溢れていた。
ジロジロと人の目線が気になる。
というか怯えぎみに見られている。
――きっとこれのせいだ。
あたしはギュッと特攻服を握った。
「いらっしゃいませ。」
仕方なく、近くにあったコンビニのトイレに行くことにした。
多少見られはしたが、ゲームセンターほど気にはならなかった。
ジャー―――
用を済まし手を洗うと、乾燥機で手を乾かしながら鏡でジッと自分の顔を見つめた。
彼の好きな笑顔……か。
鏡の前で笑顔を作る。
鏡を見ながら笑うと、ちょっと不自然な顔になる。
なんでだろ?
理由は分からない。
バンッ――
そんな時、トイレに人が入ってきた。
今の見られた?
そう思うと恥ずかしくなる。
「お嬢ちゃん、朝日桜ちゃん?」
すると、声をかけられた。
ガラガラの低い掠れた声だ。
「え?どうして―――ンッ!!」
顔を見る前に口に布を当てられた。
どんどん、視界がぼやけていく。
そして意識を手放した