第56章 作戦会議
「遅かったな。」
ソファーに座っている男が宗次郎達を見て言った。
「すいません、色々ありまして。」
彼の向かいのソファーに宗次郎が腰かける。
「なんで、白川がおるんじゃッ!!」
不機嫌そうに善司が言った。
「俺も豪龍会の件で岩中に手を貸そうと思ってな。」
白川が善司を見た。
「とか言って、ホントはおどれが西條会の裏切り者と違うんか?」
「やめろ、善司。」
「いんや、やめんわ宗次郎。親父が言っとったわ、おどれが一番あやしいってなッ!!」
今にも噛みつきそうな勢いで善司が白川を見ている。
「そうか。まぁ、そう思われても仕方ないかもな。脳が筋肉で出来ている人間にはな。」
クスリと笑う。
「なんやと?」
「山代組長にも言ったが、極道は力だけじゃ駄目なんだよ。よく考えて発言するんだな。」
「ホンマにムカつくやろうじゃの!!その首かっ切った―――」
「やめろ、善司!!」
カチャリ―――
宗次郎の制止の声と共に何かの音が聞こえてきた。
ゆっくりと皆がそちらへ目を向ける。
ゴクリッ―――
皆が息を飲んだ。
いつの間にか白川が拳銃を片手で構えていたのだ。
銃口を善司に向けている。
パァンッ―――
乾いた音が部屋に響いた。