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レッテル 1

第56章 作戦会議




「いいか?今から会うやつがどんな奴でも余計な事は言うな。」

エレベーターのボタン押した宗次郎が言った。

「何でだよ。」

二人が宗次郎を見ている。

「まぁ、見れば分かる。」

ゆっくりとドアが閉まった。

「何階まで行くんジャ?」

「最上階。」

「は?嫌やッ!!」

「なんで?」

誠也が善司を見ている。

「ワシ高いとこ苦手なんジャ。」

「その顔で?」

「顔関係無いやろがッ!!いてこますぞ!!」

善司が誠也の胸ぐらを掴んだ。
誠也はヘラヘラと笑っている。

「オッサン後ろ見てみ。」

「あ?」

善司が振り返った。

「ッ―――」

手を離し思わず後ずさる。
目の前の透き通ったガラス一面に広がる町の景色。
オフィス街の為、沢山ビルがある。
善司の足が竦(すく)んだ。

「俺等の住む町はデケェなぁ。」

ニヤニヤと笑いながら誠也が外を見ている。

「なんでエレベーターが透けとんのジャ!!」

善司は騒いでいる。

「……肝が座ってないな。」

宗次郎がため息を吐いた。

「おろせえぇぇええ!!」

善司の悲痛の叫び声が虚しく響いた。







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