第56章 作戦会議
「うぇくしょんッ………風邪かな。」
バイクを運転しながら、誠也はくしゃみをした。
今、彼は宗次郎の車の後ろでバイクを運転している。
雨が上がってからさほど時間が経っていない為か、ジメジメとした熱気がアスファルトの上に漂っている。
そして、バイクを走らせるため、体にあたる冷たいとも熱いとも言えない変な風。
身体に不快感を感じさせる。
"こんなはずじゃなかった"
彼の脳裏に浮かぶ思い。
自分は、堀田とケリをつけるために岩中の家まで行ったのになんでこんなことになっているんだろう。
と感じながらジッと黒光りする車を見つめていた。
――つーか何処に連れてかれんだ?
宗次郎の言っていたある所とは何処だろうか。
それを聞いても宗次郎(やつ)は答えない。
答えの分からない問題程、頭を抱えるものはない。
そう思いながら、ひたすらただ後ろについていった。