第56章 作戦会議
「テメェ等、ごちゃごちゃ言ってねぇで並べッ!!」
三善先輩が真剣な表情で哮った。
「うッス!!」
兵隊の人達がゾロゾロと駐車場に並ぶ。
駐車場が紫一色に染まった。
「お勤めご苦労様ッしたァ!!」
兵隊さんが叫んだ。
「あぁ、お前等よく聞け。今、誠也…総長は余所者と闘ってる。お前等の為にだ。この意味、分かるな?」
兵隊さんと向かい合うように、真ん中にたった藤崎先輩が声を大きくして言った。
「うッス。」
兵隊さんが返事をする。
「んなんで総長が気合い入ッかァッ!声張り上げろッ!!」
西村先輩が叫ぶ。
「うッス!!」
先程とは比べ物にならないほどの声で兵隊さんが叫んだ。
その気迫に圧倒されてしまう。
「噂をすれば誠也からだ。」
携帯を取り出した藤崎先輩が言った。
皆の間に緊張の糸が張りつめる。
「……わかった。」
電話に出た藤崎先輩が頷いて電話を切った。
ゴクリ……
皆が息を飲んだ。
「雨天中止で喧嘩出来なかったそうだ。」
藤崎先輩が淡々と言った。
「えぇえええッ!!」
拍子抜けしたように皆が叫んだ。