第55章 男達の闘い
バチンッ―――
「――おしッ、やるか!!」
降り頻(しき)る雨の中、大川先輩はぼやける意識を呼び戻すために自分自信の頬を激しく両手で叩いた。
先程から何発も北川の蹴りを頭に受けている。
そのため軽い脳震盪(のうしんとう)状態に陥っていた。
ピチャッ―――ピチャッ―――
赤黒い液体を滴ながら、ゆっくりと北川に近付く。
赤い足跡が雨で湿った地面に刻まれていく。
「超最悪、髪乱れるし…早く終わらせるしかないっしょ。」
タコのように唇をつきだした北川も歩いてくる。
―――蹴りばかりでくるなら間合いゼロでやればいい。それにはやっぱり――
ガシッ―――
「頭突きしかねーわなッ!!」
「は?」
グシャアッ――
激しく頭を降りおろした
グシャアッ―――
グシャアッ―――
グシャアッ―――
何度も。
「ぶふッ―――」
北側が鼻血を吹き出している。
しだいに、北川の意識は遠退いていく。
ドサッ―――
気絶した北川が地面に崩れ落ちた。
「俺の頭は自称日本一固いんだよ。……くらくらするけどな。」
先輩は頭を押さえた。