• テキストサイズ

レッテル 1

第55章 男達の闘い




「まてよ………誰が"まいった"って言った?……俺はまだ負けてねぇ……。」

フラフラとよろける足で先輩が立ち上がった。

「……面倒くさ。」

振り向いた伏田の眉間にシワがよる。

「……さっさと来いよ。」

腫れ上がった瞼の下からジッと伏田をとらえている。

「……うざ。」

そう呟いた伏田が此方へ向かってくる。
しかし、先輩は構えない。

バコッ―――

ドガッ―――

相手の拳を避けようともしない。
ただ、顔面でそれを受け止めている。

「きもちわる。族ってバカばっ―――」

バコンッ―――

「ぶはぁッ―――」

先輩の拳が伏田の顎を下から激しく貫いた。
伏田の神経が一気に麻痺したような感覚に陥る。
白目を向いた。
ゆっくりと後ろへ倒れていく。

ドサッ―――

仰向けに地面に崩れ落ちた。
ピクリとも動かない。

「……バカで結構。俺達はバカだからこそ――」

先輩もゆっくりと地面へ倒れていく。







この町を守んだよ。





ゆっくりと目を閉じた。





/ 1026ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp