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レッテル 1

第55章 男達の闘い



「で、この状況どうする?」

「また、2対2かよ。いつもこんなのばっかだよな。」

大川先輩と竹井先輩はため息を吐きながら言った。
目の前に広がるのは不良たちの絨毯(じゅうたん)。
その上にいるのは紫の髪のたらこ唇の男と眼鏡の男。
北川と林山だ。

「お前と組むのはごめんだ。」

携帯をさわりながら東山が呟いた。

「それって、超失礼じゃね?超マブダチじゃん。」

「言葉が理解できん。何語だ?宇宙語か?」

「カッチーン、そりゃ無いんじゃないの?超ムカツクっしょ。」

「しらん、俺は株取引がやりたいだけだ。」

―――なんなんだコイツ等。

大川先輩と竹井先輩は目の前の二人に呆れていた。

やる気あるのか?

と。
目の前で理解出来ないような言い争いを繰り広げている。

「チャンスか?」

「だな。」

大川先輩の言葉に竹井先輩が頷くと、二人は殴りかかった。

バシッ―――

しかし、受け止められる拳。

「なんで足ッ!?」

北川の行動に大川先輩が驚いた。
それもそのはず。
大川先輩の拳を足で蹴り飛ばしたからだ。
一方の林山はちゃんと手で拳を受け止めている。
ただし、携帯は手放さない。

「俺っち、キックボクサーだからぁ。超かっこいいっしょ?」

ニィッと北川が笑った。

―――いや、そのタラ口としゃべり方が残念な事にしてる。

内心、そう思ったが大川先輩は口に出さない。

「その口としゃべり方が終わってる。それに自称だ。」

しかし、思っていた事をすべて林山が言った。
しかも"自称"だと。

「だから、超失礼っしょ?これでも昔は超凄かったんだぜ?」

「しらん、どうでもいい。興味ない。」

―――ホントにこいつ等仲間か?

先輩達は顔を見合わせた。


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