• テキストサイズ

レッテル 1

第55章 男達の闘い




「あの…クソがッ!!」

バコッ―――

「――っ!!」

激しく助手席の椅子の背を殴る。
助手席に座っていた男が驚いて跳び跳ねた。

「お……親父、どうされま――」

「おどれは黙って運転しとればえぇんやッ!!」

運転手の男が尋ねようとすると、江田は激しく怒鳴った。

「すっすいません。」

あわてて男は謝る。

―――クソがァ…あのクソ若が調子放きやがって………。

再びギシギシと奥歯を噛み締めた。

―――アイツの大事なもん全部壊したる……忘れんで…昔の屈辱…。

ジッと窓の外を睨み付ける。

――殺したる。骨の欠片も残らんほど粉々にしたるわ!!

「葬式は派手にやるでぇ!!」

クックッと江田が喉を鳴らした。

「のぅ……レイカ。」

「………っ……。」

隣に座るレイカにふぅと息を吹き掛ける。
レイカは目を反らした。
ジッと窓の外を見ている。

「狙うんは岩中の首、そして西條会の破滅や!!奴等のシマもなにもかもワシがいただく!!勝つんは"虎の威光"をもつワシやッ!!」

彼の盛大な笑い声が車外にも漏れている。
レイカは彼にバレないように下唇をかんだ。




/ 1026ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp