第55章 男達の闘い
ゴオォォォォオオ―――
ヴォンッヴォォオオン―――
「なんだこりゃあ…。」
兵隊の人が呟いた。
あたしも口を手で押さえる。
バイクが着いたゲームセンタの駐車場は、もはや車を止めるスペースなどないくらい男の人達が倒れている。
そして、震えながら色んな人が建物入口付近からジッとあたし達を見ている。
「ごっ…極使天馬……。」
誰かが呟いた。
「……極使天馬?」
駐車場でただ一人起きて煙草を吸っていた男、白井がこちらを向いた。
「…あいつか。」
先輩がジッと白井を睨んでいる。
「桜ちゃん、降りて。」
「はい。」
あたしは頷くと先輩のバイクから降りた。
先輩も直ぐに降りてバイクを止める。
「お前等、桜ちゃんを頼む。誠也や俺の大事な人だ。守れよ。」
振り向かずに言った。
だから、先輩が今、どんな顔をしているか分からない。
「大丈夫ッス!!総長達の大事な人は俺等にとっても大事な人。それに、姉御は俺等の女神なんッスから守ってみせます!!」
いや、それは言い過ぎだと思う。
兵隊さん達の予期せぬ言葉にあたしは顔を赤らめた。