第55章 男達の闘い
バコッ――
ドガッ――
ドザァ――
ゲームセンターの駐車場。
刺青の入った腕の先の拳がどんどん男達を殴り倒す。
彼等はただ、ゲームセンターにたむろっていた中学生や高校生の悪がき達。
休日の為、人口密度は非常に高い。
「なんだよ、こっちのヤツは口だけかァ?」
口から出た血を拭いながら金髪の男、いや、白井は倒れた男達を見ていた。
「……っ……。」
その男達の女であろう者達が生まれたての子馬のように身体を震わしながら白井を見ている。
所詮人の女。
興味など微塵もない。
それよりも、
"自分を楽しませてくれる相手が現れないだろうか"
彼はそれを求めている。
沸々と煮えたぎるように、身体の中の闘志が沸き上がっていた。
自分は血を求めるのではない。
闘いを求めるのだ。
その気持ちを押さえるように、ジーパンのポケットから煙草を取り出した。
最後の一本。
それをくわえ、クシャリと入れ物を潰す。
それを放ると、ライターで火をつけた。
ふぅ―――――
煙が口から勢いよく吐き出される。
ドサッ―――
誰だかわからない男の上に腰をおろした。