第55章 男達の闘い
ゴオォォォォオオ―――
音は近くまで来た。
ズササササ―――
そして、アスファルトを擦りながら門へ入ってくるバイク。
摩擦で起きた煙がその者を隠している。
キイィィイイ―――
バイクは、音を立てて堀田達の前で止まった。
カチャ――
鍵を抜く音。
ザッ――
地面に降りる音。
ガタ――
バイクを立て掛ける音。
煙の間からゆっくりと見えてくる日章カラーのタンク。
サンダンシート
改造されたバイク。
最後にその横に立つ赤髪の男。
「よォ……やっと見つけたぜ、髭野郎。」
ズボンのポケットに手を入れ、紫の特攻服を風でなびかせながら、怪我だらけの顔が堀田に向いた。
「赤助ェ……。」
こちらも負けず劣らずの怪我だらけの顔が歪んだ。
「お前の好き勝手にはさせねぇ、この極使天馬二代目総長"秋本誠也"がテメェをぶっ殺す!!」
ポケットから出した右手の中指が天を向いた。