第54章 団結と侵略
―――吹っ切ったんじゃねーのかよ、俺。何動揺してんだ?手が……
小刻みに震える血のついた手を見ながら考えていた。
「うわ…服汚れた。クソッ、白だからクソ目立つ。」
―――恐いんか?本当は恐いんか?
南の声さえも耳に入らない。
―――違う、恐くなんかねぇッ!!ただ……おもしれぇだけだッ!!
先輩の目がギラリと光った。
「どうしてくれんだよ?着替えれねーんだ―――」
ドガッ―――
南が言い終わる前に、南の顔に拳がめり込んだ。
ドザァッ―――
南が勢いよく地面に倒れる。
シュッ――
グシャアッ―――
そこに、飛びかかった先輩が拳で追い打ちをかける。
「かはッ―――」
南の口から血が飛び出た。
バコッ―――
バコッ―――
バコッ―――
馬乗りし、何度も拳を顔に入れる。
「一回やられたぐらいじゃ俺の心は折れねぇーんだよッ!!」
再び拳が上がった。