第54章 団結と侵略
「うオラぁッ――!!」
バシッ――
「……クソ遅い。」
西村先輩の拳をユラユラと揺れる南が受け止めた。
バコッ――
「ブッ―――」
そして、南の拳が腹にめり込む。
先輩は唾液を吐き出した。
―――なんつーパンチだよ…痛ぇ。
昨日の傷が癒えていない先輩には、相手のパンチが更に傷に痛みを加える。
「だから、クソ弱いって言ってんだろ。まぁ、ワンパンで終わるよりはマシか。」
ドガッ―――
バキッ―――
バコッ―――
南の拳が先輩の顔面に降り注ぐ。
拳を握られているため避けようがない。
―――クソクソクソッ!!これじゃあ、昨日とかわんねーじゃねーかッ!!
グシャアッ―――
「ふぐぁっ―――」
頭を南の鼻にめり込ませる。
一瞬、南の鼻が凹んだ。
タラタラタラ――
ポタッ――
ポタッ――
南の鼻から出血している。
手から先輩の拳が放れた。