第54章 団結と侵略
同時刻。
細くいりくんだ道を黒のランクルが走っている。
先程、宗次郎の車をを追いかけた車だ。
「…たく、逃げられて江田のおじきになんて言うつもりだ?"うまいこと撒かれましたわァ、エライすんません☆"てか?笑えんわ。」
開いた口から光る金歯をちらつかせながら、助手席に座る銀色のパンチパーマーの男が煙草に火をつけた。
豪龍会直系真城組若頭"真城 良也(ましろ よしや)"だ。
「そんなん知らんちゃ、そげん言うならきさんが運転してみィ。」
運転席で車を運転しながら、男が横目で真城を見ている。
豪龍会直系山野組若頭"山野 竜之介(やまの りゅうのすけ)"だ。
強面で黒髪を整髪料で髪を後ろに整えてある風貌である。
「あら並大抵な運転技術やなか。…て、きさん聞いとるんか?こっちは真剣に話しとるんバィ。」
「おう、聞いとる聞いとる。」
真城が適当に相槌(あいづち)をうっている。
「たく。相手追うのはよかばってん、コイツと組むのは嫌バィ。」
ハァと山野がため息をついた。