第54章 団結と侵略
「で、どうするんだ。突っ込むか?」
「どこに。」
「西條会本部。」
ニィっと真城が笑っている。
「きさんは、そげんことしか浮かばんのか。命いくつあっても足りんバィ。」
しかめっ面で山野が否定している。
「なら、どうするん?おどれは何かアイディアっちゅうのがあるんか?」
「いや…なかばってん、このままウロウロするわけにもいかんの。」
「だから、どうするんかって聞いてんだよ、アホ。」
ペチッと山野の頭を叩いた。
「しかたなか。とりあえずどっか止まって、おじきに電話するしかなかろうも。」
「そうやな。じゃ、電話よろしく。」
「えっ!?俺!?」
「当たり前やん。言い出しっぺがするんが常識やろ。」
「きさんに"常識"っつうもんがあったんか。」
道脇に車を止めて、山野が呆れた様に真城を見ている。
「なんや、知らんかったんかィ。俺は全身常識だらけの男だ。」
堂々とした態度で真城が言いきった。
「どこが!?その金歯と銀髪……その全身がきさんを残念なことにしちょるわ。」
また、山野が溜め息をついた。