第54章 団結と侵略
バコッ――
ドガッ――
バコンッ――
骨ばった腕から想像できない程の威力の重たい拳が先輩の全身に降り注ぐ。
避ける間もない速さで伏田の手が動いている。
気が狂ったように目を見開いて、ニヤニヤと笑いながら。
―――なんなんだよコイツは……頭おかしいんじゃねーんか?にしても、かなり痛ぇ。
腕で拳を防ぎながら三善先輩は様子をうかがっていた。
隙がない。
ましてや、彼自信の腕が悲鳴をあげている。
「クソがァッ!!」
先輩は叫ぶと、拳を顔面に受けながら伏田の髪を掴んだ。
この際痛いなど言ってられない。
―――どうせ、バカのレッテルを貼られている。これ以上バカになろうが関係ねぇッ!!
彼はそう思うと頭を仰向けた。
そして、一気に降り降ろす。
グシャッ―――
グシャッ―――
グシャアッ―――
「ふがぁっ―――」
伏田の顔面にめり込んだ。
何度も。