第54章 団結と侵略
「うるさいのぅ。」
善司は呟くと窓を開け身を乗り出した。
「一般人に当てるなよ。」
「わかっとるわッ!!ワシを誰やと思っとんのジャ!!武闘派、山代組若頭の山代善司やど!!」
「わかったから、早くしろ。」
左車線に移る。
「危なッ!!」
善司が体勢を崩した。
「しっかりしろ、振り落とされたいのか?」
「おどれは運転荒いんジャッ!!………たく。」
追っ手のタイヤに狙いを定める。
「動かすなよ。」
パァンッ―――
パァンッ―――
パァンッ―――
そう呟いた瞬間鳴り響く銃声。
キュルルルルル―――
タイヤが滑っていく音と、
ガシャァンッ――
破壊音と、
パアァァアアン―――
クラクションが永遠と鳴り響く音が辺りに響いた。
一台はなんとかお釈迦(しゃか)にした。
が、まだ二台追いかけてくる。
「クソッ、ダメじゃッ!!車が多すぎる。」
諦めたように窓を閉めて灰皿に煙草を押し付けた。