第54章 団結と侵略
「なに、叫んどるんや。」
あたしがパタパタと手で扇いでいると、加藤が頭を掻きながらやって来た。
「何でもねーよ。つか、坂下のオッサンは?」
キョロキョロと誠也君が周りを見ている。
「帰った、…結局誰に頼まれたかは聞けへんかったわ。」
ボリボリと加藤が頭を掻いた。
「すんません、兄貴。」
加藤が宗次郎に頭を下げる。
「……いや、大方見当はついてる。」
「誰ジャッ!?江田か!?」
「違う。」
「じゃあ誰なんジャ!?おどれはじれったいのぅ!!」
宗次郎の言葉に、善司さんがソワソワし始めた。
「その内向こうから勝手にやって来る。それまで泳がせとけばいいだろう。」
腕を組んだ宗次郎さんが淡々と答えた。