第54章 団結と侵略
「清がやられるとか…。」
その頃。
夜中に誠也君から連絡を受けていた三善先輩達は、別れて夜叉の人間を探していた。
ゴオォォォオオ―――
バイクが風を切っている。
バタバタと特攻服が揺れる。
細い道を抜け人通りの少ない所に来た。
「こんなとこにいたら、苦労しねーよな。」
苦笑しながら三善先輩が頭を掻いた。
キイィィィイイ―――
しかし、彼は突然ブレーキをかけた。
「なんだよ、…これ。」
止めたバイクの前に広がる、倒れた不良達の山。
「何してんだテメェッ!!」
一番上にいる男を睨み付けた。
「………うるさい。」
その男はルービックキューブをしながら不機嫌そうに言った。
伏田だ。
「降りてこいッ!!」
三善先輩が吠えている。
「………紫の特攻服……面倒臭い。」
伏田はそう呟くと、山から飛び降りた。
「……テメェだな?夜叉ってのは?」
「………だったら?」
興味無さそうに呟くと、細かく手を動かしている。
横が黄色に揃った。
「潰す。余所者が調子に乗んなッ!!」
三善先輩が殴りかかった。