第54章 団結と侵略
AM9:56
江田組事務所。
「銀楼会の倅が動き出したんはしってるな?……おどれ等も準備はできとろうな?」
上座のデカイ椅子に座る江田が唸るように言った。
「もちろんだ、とっくに出来てる。」
まだ若さの残る顔立ちの黒のモヒカン刈りの男が頷いた。
豪龍会直系滝田組若頭"滝田 裕巳(たきた ひろみ)"だ。
「しかし、親父達に内緒でこげんことしてえぇんか?」
堀の深い顔立ちでサングラスをかけて茶色の髪を逆立てた男が呟いた。
豪龍会直系上谷組若頭"上谷 隼人(かみや はやと)"だ。
「おまんはビビり過ぎなんや、肝がすわっとらんのォ。」
大柄で顎に髭を蓄えた坊主頭の男が横目で上谷を見た。
豪龍会直系岩永組若頭"岩永 雅俊(いわなが まさと)"だ。
「まぁ、バレたらヤバいだろうな。」
滝田がボソリと呟く。
「あー、俺親父にどやされるわ。」
上谷がガシガシと髪を乱した。