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レッテル 1

第53章 闇からの使者




「お前は危ねぇから家に――」

「うぅん、あたしも行く。」

その頃。
特攻服に着替えている彼の言葉を遮り、あたしは言った。
あたしも、自分の特攻服に手をかける。

力は全くと言っていいほどないし、喧嘩だって出来ない。
でもどこかでジッとしているのはもうごめんだ。
今度こそ彼の役に立ちたい。
誰かを守りたい。

特攻服に着替え髪を一つに結んだ。

「でも……あぶねぇゾ?それに、守れるかわかんねぇ。」

彼が辛そうな顔をしている。

「辰川の時だって家にいても危なかったんだよ?どこにいても危ないのは変わらない。それなら、誠也君の側にいたい。」

あたしの決意は堅い。
何を言われてもそれは変わらない。

「……そうだったな。よしッ、俺の側から離れんじゃねーゾ、絶対に。それだけは約束しろ。」

「分かった。」

頷くと共にポニーテールに結んだ髪がサラリと揺れる。

「今日のうちに全て片をつけてやる。」

彼が腕を鳴らした。





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