第53章 闇からの使者
……よ…………きよ………清………
「――清ッ!!」
「せ……いや?」
目を閉じていた西村先輩が目を覚ました。
血だらけで、服にも血がついている。
「動いたら駄目ですよ。」
起き上がろうとした先輩をあたしは制した。
あれから、誠也君の携帯に電話があった。
極使天馬の兵隊の人から。
"公園で西村さんが倒れている"
と。
留守番を勇人君に頼んで、彼と一緒にバイクへ公園へ急いだ。
勿論救急セットを持って。
「いてぇッ!!」
顔の消毒をしていると、西村先輩が痛みで叫んだ。
「我慢してください、手当てしないと化膿しちゃいます。」
「…なんか、桜ちゃん俺の彼女みてぇだ。」
「あ?」
西村先輩の言葉に誠也君が反応した。
「…なーんちゃって。いてて…。」
先輩が苦しそうに笑った。
「…はい、終わりましたよ。」
笑顔で言った。
「ありがと……。」
先輩は顔を反らして呟いた。
心なしか頬が赤い気がする。
「………。」
何故か誠也君が不機嫌そうにあたしと西村先輩を交互に見ていた。