第53章 闇からの使者
「あ、勇人君どうしたの?」
「おぅ、勇人。お前もするか?」
「え……?」
目の前の光景に驚いた。
足を開いて座る姉御の背中を兄貴が押しているのだ。
「………なにしてんだ?」
「なにって、見てわかんだろ?"ストレッチ"だ。」
「寝る前にするといいんだって。」
ニコニコと姉御が笑っている。
―――なんだよ、紛らわしいんだよ。
頭を掻きながら二人を見る。
「怖い夢でも見たんか?」
意地悪く兄貴が笑っている。
「そんなんじゃねーよ。」
といって思い出す尿意。
「それより便所ッ!!」
慌てて部屋を飛び出した。