第53章 闇からの使者
誰もいない公園の横を通りすぎようとした時、公園に倒れる男達を見つけた。
キイィィィ――――
思わず西村先輩はブレーキをかけた。
そして、バイクを止めて彼等に近寄る。
「ここら辺の中坊か?」
転がる男達を見ながら、彼が呟いた。
―――誰がこんなこと……。
立ち上がって辺りを見渡す。
外灯しかない為、周りが良く見えない。
「…こりゃあ、誠也に連絡いれた方がいいかもな。」
煙草をくわえて火をつけた。
「………クソよえーな、ここら辺の奴は。」
「誰だッ!!」
「お前もどーせクソよえーんだろ?」
声と共に暗闇から現れる男。
ドレッドヘアーにこの時季寒そうなタンクトップにパーカーを羽織っている。
「誰だよお前。」
西村先輩が男を睨み付ける。
「人に名前聞くときは自分から……て、クソベタだなオィ。」
男がガシガシと頭を掻いた。
「テメェが、これやったんか?」
「まーな。お前も来るか?」
相手が挑発している。
「……はぁ。気分じゃねーけど、溜まってんだ。やってやらぁッ!!」
バコンッ―――
素直に男の頬に拳がめり込んだ。
―――いや、違う。コイツは……楽しんでやがる。
相手を睨み付ける。