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レッテル 1

第6章 思い出




「家まで送れねぇけど、帰れるか?」

玄関の鍵をかけながら彼が言った。
いつの間にか雨がやんでいる。

「大丈夫だよ。」

「なら、何かあったら電話して。」

「うん、わかった。」

あたしがそう返事すると誠也君は車庫に走っていった。

ブォンブォン―――

彼の愛車のバイクの排気音が響く。

「変なやつについていくなよ。」

車庫から出た彼が言った。

「わかってる。誠也君も無理しないで。」

あたしの言葉にバイクを走らせながら手を上げた。

「……はぁ。」

彼の背中を見つめながらため息を吐いた。
本当はもっと一緒にいたかった。
でも彼を困らせたくない。
それに、今あたしの腕の中には彼の服がある。
あたしは特攻服を抱き締めた。
まるで彼がここにいるみたいでうれしくなった。



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