第52章 歯車
「で、どうするんジャ?豪龍会や銀楼会にもナメられて、このまま尻尾振れ言うんか?わしゃあ納得いかんわ。一人でも斬り込み行ったるッ!!」
善司さんが叫んだ。
「オッサン、カバチ垂れん(文句を言う)なや。ワシかて悔しいけど、どうしようも出来んわ、…今の状況やったらな。」
「だーかーらー、誰がオッサンじゃッ!!」
加藤の言葉に善司さんが怒っている。
というか、キレどころ違うと思う。
「まぁ、ここは極道や族とかの間柄は関係なしに協力し合うしかないだろう。」
煙を吐き出しながら宗次郎さんが言った。
「はぁ!?嫌ジャッ!!極道同士ならまだしも、なんでこげんガキとつるまないかんのジャッ!!」
「あ?」
善司さんの不満の叫びに、誠也君が反応した。
「族とか肝がすわって無いんジャ。ただのバイク愛好家だろうが。」
「うるせぇ!!俺等だって命張る覚悟ぐらいあらぁッ!!命かけてバイク乗ってんだよッ!!鼻傷オッサン!!」
「誰がオッサンじゃッ!!ケツの青いクソガキがッ!!」
誠也君と善司さんが睨み合っている。
「………はぁ。」
宗次郎さんが溜め息を吐いた。