第52章 歯車
「まぁ、中々の奴だったゾ?…秋本は。」
その頃。
山代組の若衆から逃れた堀田は、血を拭いながらニヤリと笑った。
「結構やられてんじゃん…ダサッ。」
ドレッド頭のサングラスをかけた男が笑った。
名前は"南 亮介(みなみ りょうすけ)"だ。
「お前のことだから、また遊んだんだろ?」
眼鏡を触りながら黒の短い髪の"林山 文利(はやしやま ふみと)"が呟いた。
「超ダサイ!!超ウケる!!超ヘマ人?ギャハハ!!」
"超"という言葉が口癖の紫の前髪を垂らし、少し唇が厚い男"北川 冶史(きたがわ やふみ)"が笑っている。
「興味ない、面倒臭い、家で寝たい………ブツブツ……。」
小言を永遠と言い続け、ルービックキューブをしている茶髪のパーマのやせ形の男"伏田 尚"(ふしだ なお)だ。
「まー、とにかく殺り合うきっかけにはなったわけだな。」
腕が刺青だらけの金髪の坊主の男"白井 抖太(しらい とうた)"が腕を組んでいる。
この男が夜叉の副総長だ。
あとの人間は幹部である。
「お前ら……好き勝手言いやがって……。動けよ!!つか、ターゲット探しやがれ!!俺達の目的忘れたんかッ!?つーか、俺は頼まれごともあるしよ――。」
ボリボリと堀田が胸をかいている。
「総長見つけたんだから、他のやつらも自動的に出てくんだろ。」
「トータ、超頭良い!!超名案!!」
白井の言葉に北川が興奮している。