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レッテル 1

第6章 思い出




「あの…誠也君。」

「ん?」

「あの特攻服、あたしに貸して?」

壁に掛けてある特攻服を指差した。

「なんで?」

彼は驚いた顔をした。
たしかに、あたしにあの服は必要ない。
だから彼が驚くのも無理ないと思う。
けれど、この時あたしにはある思いが浮かんでいた。

「ちょっと今は言えないけど……ダメかな?」

「………いいよ。」

ちょっと考えて彼は返事をした。
彼がそうなるのも無理ない。
本来、それは着る人の勝負服だ。
ましてや、憧れの人から貰った大切なもの。
迷うのもあたり前だ。
貸してもらえたこと事態が奇跡に近い。

「誠也君の大切なものだから粗末にしないよ。誠也君の大事なものは、あたしにとっても大事なものだから。」

あたしはハニカミながら笑った。

「………その顔反則だろ。」

「…え?」

「わりぃ…無理だわ…。」

そう言って、彼はキスをした。

舌が絡みついてくる。

「ん……。」

そして、そのまま抱き抱えられベッドに押し倒された。


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