• テキストサイズ

レッテル 1

第50章 魅惑の仮面




ゴクゴクゴクゴク――――

彼の中にお酒がまるで水のように流れていく。
それが何度も何度も続いた。
護衛はある言葉を言いたくてたまらない。

"飲み過ぎ"

だと。
でも、それを言えば彼の逆鱗(げきりん)に触れてしまう。
そうなれば何をされるか分からない。
ましてや酒を飲んでいる。
リミッターが解除されている――いや、彼に元々リミッターなどない。
だが、酔った江田は更に恐ろしいということを彼等はしっているのだ。

「岩中の頭やられたんだ……次はあのクソ若が出てくる。」

不気味な笑みを交えながら江田が呟いた。

「クソ若?」

レイカが不思議そうに彼を見ている。

「三下が外のマフィア連中にしっぽ振ってからに……ムカつくんじゃアイツは………昔から。」

再び酒に手をつける。

「涼しい顔でワシの前を立ちおってからに…。」

彼の眉間にシワが寄る。

「知り合いなんですか?」

レイカが尋ねた。

「知り合い?……違うわ。ただの……いや、暇潰しの道具や」

「………。」

一瞬、レイカの額にシワがよった。
だが、本当に一瞬過ぎて誰にもそれは分からない。

/ 1026ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp