第50章 魅惑の仮面
「出来るわッ!!山代組は武闘派やッ!!お前らみたいな軟弱者じゃないんやッ!!」
「無理ですよ。いくら武闘派とはいえ知恵がない。力があってもそれに似合う知恵がないとこの世界は生きてけませんよ?」
白河が薄ら笑いを浮かべている。
「なんや、白河はズバズバいうのぉ。」
「まぁ、それが彼の良いところなんだろうけどね。」
中嶋と沢田がヒソヒソと話している。
「ガキが大人しゅうしとったら調子に乗りやがって………。」
山代が額に青筋を浮かべている。
「とにかく、今は岩中組の代理の組長を置くべきです。」
「………話は分かった。が、しかし代理の者を急に置くとは――」
「いるじゃないですが、抜擢な人物が。」
西岡の言葉に白河がクスリと笑う。
「誰だ?」
皆が再び白河を見た。
「岩中 宗次郎です。」