第49章 龍の刺青
また、彼と喧嘩してしまった。
といっても、あたしが一方的に怒ってるだけ。
ギュッ――
ベッドの上で、最近買ったばかりのクマの抱き枕を抱き締める。
あたしは、性の事について少々疎い。
。
たまに友達と話すけどそんなに性の事について話せない。
だって、中学生になるまで"キスすると赤ちゃんが出来る"って話を信じていたし、誰かと身体を交えるなんて彼と付き合うまで想像すらもしていなかった。
ボフッ―――
抱き枕に顔を埋める。
でも、彼と身体を重ねる度に、彼との愛が深まっていくようでうれしい。
なんて、思っていたら彼はどう思うだろ?
だけどやっぱり、あたしは汚いのかな。
だって彼以外の人と……―――。
いや、思い出すのはやめよう。
最初は彼。
最後も彼でありたい。
そう思いながらゆっくりと目を閉じた。