第49章 龍の刺青
「というかさ、今日俺泊まるとこないんだよね。赤助泊めて、いや泊めろ。」
ボリボリと背中を掻きながら堀田さんが彼を見た。
「は?無理に決まってンだろうが。」
「ケチ。俺が凍え死んでもいいのか?」
「別にどうでもいい。」
誠也君はそう言うとバイクの方へ歩き出した。
「なら、あたしのうちに泊まりますか?」
「は?」
彼の足が止まった。
こんな寒い時季に野宿なんて可哀想だ。
今日くらい家に帰っても構わないだろう。
「え、いいの?ホント誰かと違っていい子だな。」
チラチラと誠也君を見ながら堀田さんが言った。
「…………ッ――。」
誠也君は舌打ちすると振り向いた。