第49章 龍の刺青
キイィィィイイ――――
ズササササ―――
裏道を抜けて人通りの少ない道で彼は急ブレーキをかけた。
そのため、バイクが横を向いた。
「大丈夫かッ!?」
彼が振り向いて叫んだ。
「うん…なんとか。」
彼に掴まっていたため、なんとか難は逃れた。
でも、どうしたのだろうか。
前に目を向ける。
「こんなとこに寝てたら危ねぇだろうがッ!!」
彼が前を向くと道にむかって叫んだ。
いや、道じゃない。
人だ。
男の人が大の字になってうつ伏せで倒れている。
「………あ?」
男が顔を上げた。
「テメェはッ――。」
彼の眉間に大量のシワが寄った。