第49章 龍の刺青
キュルルルル―――
ヴォンヴォンヴォォオン―――
夕方。
彼がバイクでご飯を食べに連れていってくれることになった。
勇人君は友達の家に泊まりに行っていないし、久しぶりのデートだ。
でも、まだ彼は傷だらけだし大丈夫なのだろうか?
"たいしたことねーよ。"
とは言っていたが心配だ。
「掴まってろよ?」
「うん。」
ヴォンヴォォオン―――――
あたしの返事を合図にバイクが走り出した。
吉光の住宅街を抜け、裏道を走る。
ゴオォォォオオ――――
バイクを避ける風の音が耳に届いてくる。
いつもながら、彼はスピードを出しすぎな気がする。