第49章 龍の刺青
「あたしに、やらせて。」
部屋の入り口から女の声が聞こえてきた。
「お前は………ダメだ。」
藤堂は顔を上げてその者を見ると首を横に振った。
「どうして!?あたしなら完璧にやれる!!」
バンッ―――
女は彼のいるソファーまで来ると、激しくテーブルを叩いた。
長い綺麗な黒髪がサラリと揺れる。
「ワイがなんも知らんとでも思っとるんか?」
「………でも、どうしてもやりたい。」
「…………。」
藤堂は再び考え込むように頭を抱えた。
「分かった。だが、条件がある。」
顔を上げた藤堂の鋭い視線が彼女に突き刺さる。
「………。」
ゴクリ―――
女は息を飲んだ。
「条件は―――――」