第49章 龍の刺青
ブーブー
すると、携帯が鳴り始めた。
懐から何台もの携帯を取り出す。
仕事柄、携帯を彼は多く持ち歩いている。
「もしもし、どうしたん。」
その中の赤い携帯のタッチパネルを彼は押した。
「は?後藤が殺された?………わかった。」
彼はそう言うと通話を切った。
「クソッ!!」
ガシャンッ――
藤堂は激しくテーブルを叩いた。
テーブルの上の物が音を立てる。
――後藤が殺された。
病院で銃弾を何発も受け死んだと部下から連絡が入った。
彼は下唇を噛み締めた。
口封じに後藤は殺されたに違いない。
深刻な事態になった。
これ以上仕事を続けるべきだろうか。
しかし、ここでやめては神影の看板に傷がつく。
だが、仲間をこれ以上危険に晒すわけにはいかない。
藤堂は頭を抱えた。