第49章 龍の刺青
「クククッ…………ハッハッハッ――」
男が笑いながら立ち上がる。
「やっぱ、アンタは本物の金筋者や。」
まだ、笑っている。
「まだ、やるのか?」
「いんや、やめとく。」
そう言って男は背を向けて歩き出した。
「あっ、そうだ。」
男が立ち止まり振り向いた。
「俺の名前は堀田 辰輝。日本を支配する男の名や、覚えといて。」
そう言うと、堀田は手を振って歩き出した。
「わかがし……何者なんでしょうか、奴は。」
「銀楼会の……いや、何でもない。」
そう言って宗次郎は屋敷へ戻っていく。
「原田。」
「はい。」
「高島の手当てをしてやれ。」
そう言い残すと、宗次郎は屋敷へ消えていった。