第49章 龍の刺青
「ここが、岩中組か。」
大きな日本のお城のような門の前で男が呟く。
「なんや、きさん。なんか様か?ぁあッ!?」
見張りの男が哮る。
「あー、うっせぇなぁ。こっちの人間っちゅうのはもーちょい静かに出来んのか?」
耳を指で塞いだ。
「カチコミじゃあッ!!」
見張りが叫んだ。
「どこ者やッ!!」
「親父がおらんときにええ度胸やないかいッ!!」
ゾロゾロと奥から筋もの達が出てきた。
「もう面倒臭いわ。ハジキでもヤッパでも何でも持ってこいよ。」
男が中指を上げて挑発している。
「ワシを誰やとおもとんのや、ワリャ。」
一番前に出てきた男がメンチをきっている。
「知らん。」
「岩中組、舎弟頭代理補佐の高島――」
バコッ―――
「ふがぁっ―――」
高島の鼻に男の拳がめり込む。
鼻血を吹き出しながら倒れた。
「兄貴ぃぃい!!」
筋者達が駆け寄る。
「思いっきりしたっぱやんけ。」
ペッと唾を吐き出し見下ろしている。