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レッテル 1
第49章 龍の刺青
「なんでアイツに金渡したんだ?」
揺れる電車の中で彼が呟く。
一本遅れた為か車内は空いていた。
チラホラといる西康の生徒達。
怯えたように彼を見ていた。
みんな知っているのかな。
辰川との事。
ジッと彼等を見る。
「なぁ、聞いてんのか?」
彼が少し強い口調で言った。
「えっ、あ…ごめん。聞いてなかった。」
彼の方を見て笑顔で答える。
「たく…なんで、金渡したん?」
「え?だって……可哀想でしょ?」
首を傾げる。
「お前はお人好しすぎんだ。」
ガシガシと彼が頭を撫でた。
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