第49章 龍の刺青
「お金なら、あたしが――。」
財布を取りだし、千円札を二枚取り出す。
「いやぁ、お嬢ちゃんは話がわかるね。こっちのマヌケとは大違い。」
「誰がマヌケだ!!」
「お前だよ。」
また、堀田さんが顎をしゃくれさせた。
「テメェ……。」
彼がワナワナと震える拳を握っている。
「じゃあ、ありがたくいただきます。」
そう言って、堀田さんはお金を受け取った。
「まぁ、町で見かけたら声かけてくれや。当分こっちにいるから。」
彼はそう言うと背を向けて歩き出した。
よく見れば背が高いし、かなり筋肉質だ。
それに、露出したところから刺青が見える。
背中から青い目が此方を見ていた。