• テキストサイズ

レッテル 1

第48章 神影




カチャ――

ゆっくりとドアが開いた。
スエット姿の彼が頭を掻きながら中へ入ってくる。
セットしていない髪がワシャワシャと乱れる。

「……。」

会話は無い。
ただ無言で彼は勇人君のいるソファーに座った。

「あっ!!勝手に変えんなよ、兄貴!!今の見てたのに!!」

リモコンを持ってチャンネルを変えた誠也君に勇人君が叫んだ。

「昼間っから変なドラマ見てんじゃねーよ。ニュースでも見てろ。」
そう言って映し出されたのは某テレビ局のニュース番組。

「かえろよ※△☆○*@―――。」

"昨夜12時頃○○市内のコンビニエンスストアで強盗事件がありました。犯人は―――"

興奮しているのと彼が音量を上げたので勇人君が何を言っているのか分からない。

呆れた――

あたしと喧嘩しているからって、勇人君に八つ当たりしているのだろうか。
だとしたら、本当にこの人は子供っぽい人だと思う。

コーヒーを啜りながらソファーに座る彼をじっと見た。





/ 1026ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp