第5章 出逢い
「そういうとこホント可愛い。」
「はぁ…はぁ…。」
呼吸が乱れる。
「もしかして遊びなれてるのかな?」
「……ちがっ…。」
「どういう風に乱れるのか俺に教えて?……桜。」
先輩が覆い被さってきた。
部屋にいた男達があたしを囲む。
けれど抵抗しようにも力が入らない。
「薬…飲まされたの気づいてた?」
「……やっ。」
耳元でそう囁かれた。
「ほんとバカだね君は。壊したくなる。」
そう言って先輩はあたしの首に顔を埋めた。
首筋に生温かいモノがあたる。
あたしは始めての感覚にゾッとした。
「や…めて。」
小さく消え入りそうな声であたしは抵抗した。
恐い。
その感情が溢れだす。
「何?誘ってるの?」
「ちがっ…。」
「じゃあ何?いってみて。」
先輩はあたしを放すと立ち上がって見下ろした。
「な…なんで…こんなこと…するの?」
精一杯の声をだした。
すると先輩はニコッと笑った。
あたしの大好きだった笑顔で。
「ゲームだからだよ。」
先輩はしゃがみこんで言った。
「可愛い子落として皆で壊そうってね。」
「なに…それ…」
あたしは先輩を睨みつけた。