第47章 極使天馬vs爆鬼
アレ――?
振り上げた辰川の拳がいまだに降りてこない。
ふと顔を上げれば、アザだらけで血塗れの彼が辰川の腕を掴んでいた。
「死に損ないがァ――。」
辰川の眉間に大量のシワがよる。
「……俺の大事な女と弟に…手出させるかよ……俺の目の黒いうちはよぉ。」
肩で呼吸しながらミシミシと腕が音を立てている。
「誠也君ッ!!」
「兄貴ッ!!」
涙が溢れそうになる。
「心配すんな…大丈夫だ。これ終わったら……みんなで家に帰って寝ようや。」
垂れた前髪の間から見える腫れた目蓋の目がにっこり笑った。
ドクンッ――――
胸が鳴った。
頬が一気に熱くなる。
「うんッ。」
あたしは笑顔で答えた。